吹奏楽のためのインヴェンション第1番 (内藤淳一 作曲)
1983年度全日本吹奏楽コンクール課題曲の一つとして作曲されました。インヴェンションとは、一般的に「創意・工夫」のことを指し、17世紀の終わり頃から音楽の手法として用いられるようになりました。与えられた主題を他の楽器があたかも輪唱のように積み重ねていき、幅の広い音楽を展開しているのが特徴です。厚みのある勇壮なファンファーレに始まり、中間部ではアルトサックスとホルンの掛け合いがあるなど、吹奏楽のオリジナル曲としては秀作と言える作品です。
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風紋 (保科洋 作曲)
1987年度全日本吹奏楽コンクール課題曲の一つとして作曲されました。作曲家・保科洋さんの手がけた吹奏楽のオリジナル曲で、数ある保科作品の中でも全国的に大変人気のある名曲です。「風紋」とは、風によって砂の上にできる模様のことですが、単に風だけではなく、様々な風景を感じさせる曲調となっています。特に、冒頭の主題は、日本人としての心の琴線に触れるような美しいイントロダクションから始まる哀愁を帯びた旋律となっています。
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マーチ「ブルースカイ」 (高木登古 作曲)
2007年度全日本吹奏楽コンクール課題曲の一つとして作曲されました。「天高く馬肥ゆる秋」という言葉がありますが、曲名のように、10月は抜けるような青空が多い季節です。一般的に、行進曲は、リズミカルで聴いていても心地よく心躍るようなものが多いのですが、その一方で、演奏者としては、音程、メリハリ、対比、アタックの精度、リズムの正確さ、フレーズの進行など、様々なテクニックが要求されます。吹奏楽の演奏の基本中の基本が問われるジャンルでもあります。特に曲の中盤、トリオ部分ではスネアドラム無しでいかに正確なリズムが刻めるか、リズム隊の本領発揮といったところでしょう。
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ロッキーのテーマ (平石博一 編曲)
1976年に第1作が公開され、全世界を熱狂の渦に巻き込んだシルベスター・スタローン主演の映画「ロッキー」は、その後1990年までに5作が制作・公開されましたが、2007年、17年振りに最終作「ロッキー・ザ・ファイナル」が公開され、話題となりました。1作目では、ふがいない無名ボクサーのロッキーが、仕組まれた試合で、最後には負けながらも、自分の本当の強さと、彼を支援してくれた周囲の愛に気づくという人間愛を描いた作品でした。常に自分を極限状態に追い込んでいくボクシングの世界は、肉体だけではなく、強い精神力と、人を思いやるという心を持ち合わせていかなければいけない、まさに、心技体の3つを要求されるスポーツです。誰とは言いませんが、どこかの親子には是非反省してもらいたいですね…。
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宝島 (真島俊夫 編曲)
日本のフュージョン・バンドである「ザ・スクエア」の代表曲です。スクエアは1976年に4人で結成され、その後何回かのメンバーチェンジを経て、1989年にはバンド名を「T
スクエア」とし、現在に至っています。これまでのジャズ・フュージョンやイージーリスニングのどちらにも属さない彼らオリジナルのインストゥルメンタルのスタイルを確立し、F1グランプリのテーマ曲にも起用された「トゥルース」や、後に歌詞がつけられ「ウィンク・キラー」というタイトルで歌われた「オーメンズ・オブ・ラブ」など、数々のヒット曲を生んでいます。「宝島」も、代表曲の一つですが、真島俊夫さん編曲による吹奏楽バージョンの「宝島」は、原曲とはほど遠いものとなっております。軽快なサンバのリズムに乗せた明るく元気なサウンドに仕上がっており、全国の吹奏楽団で数多く演奏されている人気の高いアレンジです。
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アフリカン シンフォニー (岩井直溥 編曲)
作曲者であるヴァン・マッコイは、アメリカの音楽プロデューサー兼作曲家であり、主にディスコ・クラシックというジャンルで「ハッスル」という作品を手がけるなどしています。「アフリカン・シンフォニー」は彼の作品群の中でもとりわけ異色作とされているものです。タイトルにもあるように、人類の起源でもあるアフリカの生命の営みを感じさせる壮大なスケールの曲で、猛獣の雄叫びやサバンナを駆けめぐるシマウマなどの光景が目に浮かびます。1977年に発表された吹奏楽のアレンジは、全国各地で一世を風靡した作品で、今では甲子園での高校野球の応援にも使われています。余談ですが、1977年に発表された西城秀樹さんのライブアルバム「HIDEKI
LIVE’76」には、西城さんが歌うアフリカン・シンフォニーが収録されています。
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羽田健太郎追悼メドレー
西部警察Part-Uテーマ (高沢智昌 編曲)
渡る世間は鬼ばかり (小島里美 編曲)
2007年も数々の著名人がお亡くなりになりました。特に音楽界でも、植木等さんやZARDの坂井泉水さん、そして、作曲家の羽田健太郎さんが惜しまれつつ他界されました。羽田さんはピアニストでもあり、作曲や編曲で数多くの作品を手がけています。テレビ番組「題名のない音楽会」やメガネのコマーシャルにも出演されるなど、親しみやすいキャラクターで「ハネケンさん」と呼ばれ、お茶の間の人気を得ていました。元来、クラシック出身でありながら、バンドのエキストラやスタジオミュージシャンとして起用されたことがきっかけでポピュラー界にも進出し、その後、テレビや映画のテーマソングを作曲したり、演奏に参加したりするなど、実に幅広い活動をされた方でした。晩年は、慢性的な飲酒がたたり、遂に2007年の6月に58歳という若さでこの世を去りました。飲酒はほどほどにしたいものですね。さて、その数多い作品の中から、「西部警察パートUのテーマ」と「渡る世間は鬼ばかり」の2曲をメドレーで演奏しました。全く正反対の曲調で、とても同じ人が作った曲とは思えません。その引き出しの多さにただ驚くばかりです。
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この道わが旅 (小野崎孝輔 編曲)
テレビゲーム「ドラゴンクエストU」のエンディングとして作曲されました。ドラゴンクエストは、2007年から21年前に家庭用ゲーム機であるファミリー・コンピューターのソフトとして発売されました。電源を切っても、その切る前の続きからスタートできるという当時としては画期的であった物語形式のロール・プレイング・ゲームの草分けとして発売後、徐々に人気を得、その後、スーパーファミコンやゲームボーイなどでも次々と続編が発売され、日本国内だけにとどまらず世界的にヒットしているゲームです。このゲームに使用されている音楽は、「ザ・ピーナッツ」や「ザ・タイガース」などに数多くの楽曲を提供してきた日本歌謡界の名作曲家である「すぎやまこういち」さんの作曲によるもので、当時としては、低く見られていたゲーム音楽の地位を上げることになりました。実は、すぎやまさんは無類のゲーム好きで、この「ドラゴンクエスト」シリーズを開発していた当時の会社「エニックス」に将棋ゲームソフトのアンケートはがきを送ったところ、エニックスの担当者が、そのはがきにびっしりと書かれた感想を見て、これだけゲームが好きな人ならば一緒に仕事ができるに違いないと、作曲の依頼をしたそうです。
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Fun,Fun,Fantastico! (宮川彬良 作曲)
作曲者である宮川彬良さんは、マツケンサンバUの作曲家として知られております。お父さんも、作曲家であり、「宇宙戦艦ヤマト」や「ズームイン朝のテーマ」などを手がけたことでも有名です。当初、彬良さんは、音楽家でありながら、吹奏楽とは全く無縁の環境で育ったそうですが、大阪府で開かれた国民体育大会の入場行進を手がけたことがきっかけで吹奏楽にのめり込むことになったそうです。以降、お父さんの代表作をいくつも吹奏楽にアレンジし、また、自ら作曲した曲も多数あります。そのオリジナル曲の中でもひときわ賑やかで楽しいワクワクするような曲「Fun,Fun,Fantastico!」をアンコール曲として演奏しました。
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